獨股山 前山寺

未完の塔 くるみおはぎの接待

2017年

2017年

 

1月

息白く 山門くぐり 手を合わす    照代
冬晴や 由緒の寺の ほうきの目   依田節子
茅ぶきの 伽藍の下に 一人きて
秋の薄日に いにしえ思う   恵定
初まいり 八十路の道の 安かれと   坂口浩
初参り 陽に輝く 三重の塔      寒月風
初春や 静もりかへり 前山寺     良子
新春に 毎年恒例 寺参り       清水真
屋根に雪 凛とそびえし 前山寺
如来来日の 恩徳に謝す     謙正
春近き 日ざしに誘はれ 前山寺    美和
空高く 雲一つない 冬の海
白い月船 行き先は春      航
寒鳥 静か静かに 前山寺      まねきねこ
前山寺 光に映える 未来かな    廣田
白一面 心一つに かえりたい

 

2月

節分の 雪解け水に 耳澄ます      航
初参り 静かなり 雪の寺
亡き父の 前向思考 前山寺     渡辺勤

 

3月

ゆきふる日 家族そろって 前山寺     梶子
雪降る日 お経がひびく 寺参り      結美
前山寺 つぼみ膨らみ 春近し       美穂子
前山寺 静か見守る 三重の塔     佐久市
古里の 変わらぬ姿に うれしさおぼえ

 

4月

前山寺 花にさそわれ おはぎかな
五六日 ほめられたくて 咲く桜      三澤真由美
信州の 鎌倉花の 塔めぐる       和田公子
七百年 欅の芽木に 水の声      天明

 

5月

故郷の 宝にふれし 思ふこと        基史
五月晴 多くのことを 気づかされ      基史
ぜんさんじ くるみおはぎが おいしいよ
すみわたる 空も心も 前山寺       浩子
新緑も 旅の湯宿の 馳走なり       絹子
送られて 妻の初七日 藤の花       独鈷
くまばちの 羽音うれしや ふじの花      東志子
老いふたり 浄土に導く 藤の花      坂口 浩
石段の 一歩に藤の 花匂ふ        はるとり
万緑や 古寺を統ぶる 大けやき      はるとり
塩田平 鐘つき堂は 藤の前        はるとり

 

6月

初蝉を 塔の奥より 聞きにけり
前山寺 緑豊かな 大自然
寺の縁 霞はるかに 喰らうはぎ
前山寺 胡桃おはぎに 舌つづみ
鬼ぐるみ 懐かしい味 祖母の顔
万緑や 未完の塔の ゆるぎなし      一瀬 正子
梅雨の蝶 水の字暑き 大ひさし      一瀬 正子

 

7月

かなかなや 塩田平の 前山寺      田中 淳子
ひぐらしや 自転車こいで 前山寺
未完なる 塔に親しむ 夏木立
あじさいの 雨に打たれし うれしさに    京雲
あじさいの 小径の先に 古寺の塔    坂口 浩
小雨降る 夏の奥寺 霧まいて
前山寺 詣でてなるほどと 石碑よみ    秋山
くるみはぎ 山荷葉そえる 山の寺     池田 康子
おはぎたべ 昔なつかし 母おもう      京雲
若葉風 かやぶき屋根の かがやける    英一

 

8月

くるみはぎ 帰って作ると 舌つづみ      筑井美鈴
むしの声 こっちもあっちも 大合唱      ほししいたけ
せみの声 草木にかくれて ないている    日下康太朗
蝉の声 夏よみがえれど もう涼し
日が入り こがねに輝く 赤とんぼ
静けさや 右も左も せみしぐれ        木公
ひぐらしの せわしさおわれ 前山寺      カツ江
蝉の声 自然のパワーが よみがえる     バブオ
寺の鐘 ついたあとには 蝉の声
夏の寺 互いを思う 母と娘で
悠久の 時を経て尚 未完成        どあっこ
ひぐらしに 耳そばたてる 三重の塔     目黒の宮
不意の雨 こっちへおいでと せみが呼ぶ

 

11月

塔の影 かざす石塔 落葉掻く          戸恒東人
未完なる ものに人生 冬紅葉          小滝徹矢
冬帽子 胸に収めて 前山寺
銀杏の 空にむかいて いのるへいわ       田口淳子
亡き祖父母 訪れし寺 母と旅
銀杏枯る 千手を広げ 暖を乞う         小林孝
息きれて 参道いちょう 母の年


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